関数・クラス解説

set_error_handler

version:PHP 4 >= 4.0.1, PHP 5, PHP 7 (公式)

ユーザー定義のエラーハンドラ関数を設定する

公式リファレンス

書式

set_error_handler ( callable $error_handler [, int $error_types = E_ALL | E_STRICT ] ) : mixed

handler ( int $errno , string $errstr [, string $errfile [, int $errline [, array $errcontext ]]] ) : bool

説明

スクリプトのエラー処理を行うユーザー関数 (error_handler)を設定します。

この関数は、実行時のエラー処理をユーザーが定義するために使用します。 例えば、致命的なエラーの際にデータやファイルを消去する必要があるような アプリケーションや、ある条件のもとに (trigger_error()を使用して)エラーを発生する必要がある アプリケーションがこの場合にあたります。

コールバック関数が FALSE を返さない限り、error_types で指定した型のエラーでは PHP 標準のエラーハンドラが完全にバイパスされることに注意してください。 error_reporting() の設定にかかわらず、どのような場合でも ユーザーが設定したエラーハンドラがコールされます。ただし、この場合でも ハンドラで error_reporting() のカレントの値を読み、 それにあわせて適切に動作させることは可能です。エラーを発生した命令の前に @ エラー制御演算子 が付加されている場合、この値は 0 となることには注意しましょう。

ユーザーハンドラ関数は、必要に応じて die() を コールする責任があることにも注意しましょう。エラーハンドラ関数が リターンした場合、スクリプトの実行は、エラーを発生した命令の次の命令に 継続されます。

以下のエラータイプは、ユーザー定義の関数では扱えません。 E_ERROR, E_PARSE, E_CORE_ERROR, E_CORE_WARNING, E_COMPILE_ERROR, E_COMPILE_WARNING。これらは発生した場所に関係なく使えません。 また、set_error_handler() がコールされたファイルで発生した 大半の E_STRICT も、ユーザー定義の関数では扱えません。

(ファイルアップロードのように)スクリプトが実行される前にエラーが 発生した場合、カスタムエラーハンドラはコールされません。 これは、その時点では登録されていないためです。

パラメータ

error_handler
次のシグネチャに従うコールバック。 NULL を渡すと、ハンドラをデフォルトの状態に戻せます。 関数名のかわりにオブジェクトへのリファレンスとメソッド名を含む配列を指定することもできます。
errno
最初のパラメータ errno は、発生させる エラーのレベルを整数で格納します。
errstr
2 番目のパラメータ errstr は、 エラーメッセージを文字列で格納します。
errfile
3 番目のパラメータ errfile はオプションで、 エラーが発生したファイルの名前を文字列で格納します。
errline
4 番目のパラメータ errline はオプションで、 エラーが発生した行番号を整数で格納します。
errcontext
5 番目のパラメータ errcontext はオプションで、 エラーが発生した場所のアクティブシンボルテーブルを指す配列です。 つまり、エラーが発生したスコープ内でのすべての変数の内容を格納した 配列が errcontext だということです。 ユーザーエラーハンドラは、決してエラーコンテキストを書き換えては いけません。
警告 このパラメータは PHP 7.2.0 以降では 推奨されません。 これに依存しないことを強く推奨します。
この関数が FALSE を返した場合は、通常のエラーハンドラが処理を引き継ぎます。
error_types
設定パラメータ error_reporting で表示するエラーを制御するのと全く同様に、 error_handler の起動を制御する際に 使用可能です。 このマスクを指定しない場合、 error_handler は error_reporting の設定によらず 全てのエラーに関してコールされます。

返値

前に定義されたエラーハンドラ(ある場合)を含む文字列を返します。 組み込みのエラーハンドラを使用している場合は NULL を返します。 また、無効なコールバックなどでエラーとなった場合も NULL を返します。 前に定義されたハンドラがクラスメソッドの場合、この関数は、 クラスとメソッド名からなる添字配列を返します。

注意

警告 このパラメータは PHP 7.2.0 以降では 推奨されません。 これに依存しないことを強く推奨します。

更新履歴

バージョン 説明
7.2.0 errcontext が非推奨になりました。 このパラメーターを使うと、 E_DEPRECATED レベルの警告が発生するようになりました。

サンプル

例1 set_error_handler() および trigger_error() によるエラー処理

以下の例では、エラーを発生させることによる内部例外の処理や それらをユーザー定義関数で処理する方法を説明します。

// エラーハンドラ関数 function myErrorHandler($errno, $errstr, $errfile, $errline) {     if (!(error_reporting() & $errno)) {         // error_reporting 設定に含まれていないエラーコードのため、         // 標準の PHP エラーハンドラに渡されます。         return;     }     // $errstr はエスケープする必要があるかもしれません。     $errstr = htmlspecialchars($errstr);     switch ($errno) {     case E_USER_ERROR:         echo "My ERROR [$errno] $errstr\n";         echo "  Fatal error on line $errline in file $errfile";         echo ", PHP " . PHP_VERSION . " (" . PHP_OS . ")\n";         echo "Aborting...\n";         exit(1);     case E_USER_WARNING:         echo "My WARNING [$errno] $errstr\n";         break;     case E_USER_NOTICE:         echo "My NOTICE [$errno] $errstr\n";         break;     default:         echo "Unknown error type: [$errno] $errstr\n";         break;     }     /* PHP の内部エラーハンドラを実行しません */     return true; } // エラー処理のテスト用関数 function scale_by_log($vect, $scale) {     if (!is_numeric($scale) || $scale <= 0) {         trigger_error("log(x) for x <= 0 is undefined, you used: scale = $scale", E_USER_ERROR);     }     if (!is_array($vect)) {         trigger_error("Incorrect input vector, array of values expected", E_USER_WARNING);         return null;     }     $temp = array();     foreach($vect as $pos => $value) {         if (!is_numeric($value)) {             trigger_error("Value at position $pos is not a number, using 0 (zero)", E_USER_NOTICE);             $value = 0;         }         $temp[$pos] = log($scale) * $value;     }     return $temp; } // 定義したエラーハンドラを設定する $old_error_handler = set_error_handler("myErrorHandler"); // エラーを発生します。まず、数値でない項目が混ざった配列を定義します。 echo "vector a\n"; $a = array(2, 3, "foo", 5.5, 43.3, 21.11); print_r($a); // 二番目の配列を生成します。 echo "----\nvector b - a notice (b = log(PI) * a)\n"; /* Value at position $pos is not a number, using 0 (zero) */ $b = scale_by_log($a, M_PI); print_r($b); // 配列の代わりに文字列を渡しており、問題を発生します。 echo "----\nvector c - a warning\n"; /* Incorrect input vector, array of values expected */ $c = scale_by_log("not array", 2.3); var_dump($c); // NULL // ゼロまたは負数の対数が定義されないという致命的なエラーを発生します。 echo "----\nvector d - fatal error\n"; /* log(x) for x <= 0 is undefined, you used: scale = $scale" */ $d = scale_by_log($a, -2.5); var_dump($d); // ここには到達しません

上の例の出力は、たとえば以下のようになります。

vector a Array ( [0] => 2 [1] => 3 [2] => foo [3] => 5.5 [4] => 43.3 [5] => 21.11 ) ---- vector b - a notice (b = log(PI) * a) <b>My NOTICE</b> [1024] Value at position 2 is not a number, using 0 (zero)<br /> Array ( [0] => 2.2894597716988 [1] => 3.4341896575482 [2] => 0 [3] => 6.2960143721717 [4] => 49.566804057279 [5] => 24.165247890281 ) ---- vector c - a warning <b>My WARNING</b> [512] Incorrect input vector, array of values expected<br /> NULL ---- vector d - fatal error <b>My ERROR</b> [256] log(x) for x <= 0 is undefined, you used: scale = -2.5<br /> Fatal error on line 35 in file trigger_error.php, PHP 5.2.1 (FreeBSD)<br /> Aborting...<br />

参考

  • ErrorException
  • error_reporting() - 出力する PHP エラーの種類を設定する
  • restore_error_handler() - 以前のエラーハンドラ関数を回復する
  • trigger_error() - ユーザーレベルのエラー/警告/通知メッセージを生成する
  • エラーレベル定数
  • ワード検索


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    最終更新一覧

    stristr
     大文字小文字を区別せず文字列を検索し、ヒット箇所以降(あるいは以前)の文字列を返却

    stripslashes
     バックスラッシュでエスケープされた文字列から、バックスラッシュを取り除く

    stripos
     大文字小文字を区別せずに文字列が最初に現れる位置を取得する

    stripcslashes
     addcslashes() でクォートされた文字列をアンクォートする

    strip_tags
     文字列から HTML と PHP のタグを除去して返却

    strcspn
     指定した文字が最初に現れる位置を調べる

    strcoll
     ロケールに基づいて2つの文字列を比較し同じか(あるいは大小)を判定する

    strcmp
     2つの文字列を比較し同じか(あるいは大小)を判定する

    strchr
     strstr() のエイリアス

    strcasecmp
     2つの文字列を比較(大文字小文字を区別せず同じとみなす)

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