関数・クラス解説
extract
version:PHP 4, PHP 5, PHP 7 (公式)配列からシンボルテーブルに変数をインポートする
公式リファレンス
書式
extract ( array &$array [, int $flags = EXTR_OVERWRITE [, string $prefix = NULL ]] ) : int
説明
配列からシンボルテーブルに変数をインポートします。
各キーについて変数名として有効であるかどうか、 そして、シンボルテーブルの既存の変数と衝突しないかどうかを確認します。
警告ユーザーの入力、例えば $_GET や $_FILES のような、 信頼できないデータに extract() を使用しないでください。
パラメータ
- array
- この関数は連想配列 var_array を引数とし、そのキーを変数名、値を変数の値として処理します。 各キー/値の組に関して、flags および prefix パラメータに基づき、 現在のシンボルテーブルに変数を一つ作成します。 連想配列を使用する必要があります。EXTR_PREFIX_ALL または EXTR_PREFIX_INVALID を使用しない限り、 数値添字の配列には結果は出力されません。
- flags
- 無効または数値キーおよび衝突に関する対処法は、 flags で定義されます。 これは以下の値のどれかとなります。
- EXTR_OVERWRITE
- 衝突があった場合、存在する変数が上書きされます。
- EXTR_SKIP
- 衝突があった場合、存在する変数は上書きされません。
- EXTR_PREFIX_SAME
- 衝突があった場合、prefix を前につけた新しい変数となります。
- EXTR_PREFIX_ALL
- 全ての変数の前に prefix を付けます。
- EXTR_PREFIX_INVALID
- 無効または数値の変数名のみに接頭辞 prefix を付けます。
- EXTR_IF_EXISTS
- 現在のシンボルテーブルに既に存在する場合にのみ上書きします。 例えば $_REQUEST 以外にあなたが定義した変数のみを展開し 有効な変数としたいような場合に有用です。
- EXTR_PREFIX_IF_EXISTS
- 同じ変数だが接頭辞をつけていないバージョンの変数が 現在のシンボルテーブルに存在する場合にのみ 変数を生成します。
- EXTR_REFS
- 変数を参照として展開します。 これはインポート済みの変数が、 array パラメータの値に常に参照付けられることを意味します。 このフラグを単独で使用するか、 あるいはflagsと和算することにより、 他のフラグとそれを組み合わせることができます。
- prefix
- prefix は、 flags が EXTR_PREFIX_SAME、EXTR_PREFIX_ALL、 EXTR_PREFIX_INVALID あるいは EXTR_PREFIX_IF_EXISTS の場合にのみ必要であることに注意してください。 接頭辞を付けた変数名が有効な変数名でない場合、 この変数はシンボルテーブルにインポートされません。接頭辞は、 アンダースコア文字で配列のキーから自動的に分割されます。
返値
シンボルテーブルにインポートした変数の数を返します。
注意
警告 extract() をユーザー入力 ($_GET や $_FILES など) のような信頼できないデータについて使用しないでください。 もし行う場合、例えば register_globals を信頼しているような古いコードを一時的に実行したい場合、 EXTR_SKIP のような flags の値が上書きされていないことを確認してください。そして php.ini の variables_order で定義されたものと同じ順で展開すべきであることに留意してください。
注意: register_globals が on の状態で $_FILES に対して extract() を実行して EXTR_SKIP を指定すると、 その結果に驚くことでしょう。 警告 これは決しておすすめする方法ではなく、 単にドキュメントとしての完全性を求めてここに書いているだけです。 register_globals を使ったり、$_FILES のような信頼できないデータに対して extract() を使ったりすることは非推奨となっています。 先に説明したようにセキュリティ上のリスクがあるからです。 もしこの問題に遭遇したならば、 まずいコーディング作法を少なくともふたつ使っているということになります。 <?php/* $testfile にはアップロードされたファイルの名前が入っており、 register_globals が on であるものとします */var_dump($testfile);extract($_FILES, EXTR_SKIP);var_dump($testfile);var_dump($testfile['tmp_name']);?> おそらくこんな結果になることを期待しているでしょう。 string(14) "/tmp/phpgCCPX8"array(5) { ["name"]=> string(10) "somefile.txt" ["type"]=> string(24) "application/octet-stream" ["tmp_name"]=> string(14) "/tmp/phpgCCPX8" ["error"]=> int(0) ["size"]=> int(4208)}string(14) "/tmp/phpgCCPX8" しかし、実際にはこのようになります。 string(14) "/tmp/phpgCCPX8"string(14) "/tmp/phpgCCPX8"string(1) "/" これは、register_globals が on の場合は extract() がコールされた時点で既にグローバルスコープに $testfile が存在するからです。 そして EXTR_SKIP が指定されているので、 $testfile が $_FILES 配列の内容で上書きされることはありません。 $testfile はそのまま文字列として残るわけです。 文字列は配列構文を使ってもアクセスでき、 非数値の文字列 tmp_name は 0 と解釈されるので、PHP は $testfile['tmp_name'] を $testfile[0] とみなします。警告 ユーザーの入力、例えば $_GET や $_FILES のような、 信頼できないデータに extract() を使用しないでください。
サンプル
例1 extract() の例
extract の使用例としては、シンボルテーブルに wddx_deserialize() から返された連想配列を インポートすることが考えられます。
/* $var_array はwddx_deserializeから返された配列と仮定します */
$size = "large";
$var_array = array("color" => "blue",
"size" => "medium",
"shape" => "sphere");
extract($var_array, EXTR_PREFIX_SAME, "wddx");
echo "$color, $size, $shape, $wddx_size\n";
上の例の出力は以下となります。
blue, large, sphere, medium
EXTR_PREFIX_SAME を指定したため、$size は上書きされず、$wddx_size が作成されます。 EXTR_SKIP が指定された場合、$wddx_size は作成されません。 EXTR_OVERWRITE の場合は、$size の値は "medium" となります。 EXTR_PREFIX_ALL の場合は新規の変数 $wddx_color, $wddx_size, $wddx_shape が作成されます。
参考
ワード検索
※入力キーワードが、関数名・説明文・タグに含まれるものを検索関数名アルファベット別
最終更新一覧
●stristr
大文字小文字を区別せず文字列を検索し、ヒット箇所以降(あるいは以前)の文字列を返却
●stripslashes
バックスラッシュでエスケープされた文字列から、バックスラッシュを取り除く
●stripos
大文字小文字を区別せずに文字列が最初に現れる位置を取得する
●stripcslashes
addcslashes() でクォートされた文字列をアンクォートする
●strip_tags
文字列から HTML と PHP のタグを除去して返却
●strcspn
指定した文字が最初に現れる位置を調べる
●strcoll
ロケールに基づいて2つの文字列を比較し同じか(あるいは大小)を判定する
●strcmp
2つの文字列を比較し同じか(あるいは大小)を判定する
●strchr
strstr() のエイリアス
●strcasecmp
2つの文字列を比較(大文字小文字を区別せず同じとみなす)
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